アメリカン・エキスプレス・カード(アメックス)にもさまざまな種類があり、ホテルチェーン系のカードが存在します。
海外旅行やホテルの大好きな人にとっては、最適な種類のカードかもしれません。
それからホテル系アメックスでも、航空会社のマイル獲得に向いているものもあります。
ホテル系アメックスの利用方法、オトクの度合いを見ていきましょう。
アメックスのホテル系カードの位置づけ
この記事では、次の4種類のカードを取り上げます。
- Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・カード
- Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード
- ヒルトン・オナーズアメリカン・エキスプレス®・カード
- ヒルトン・オナーズアメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード
マリオットとヒルトンという、それぞれ世界を代表するメガブランドに特化したカードです。
それぞれ、代表的な名称以外にもホテルブランドを次のとおり多く抱えています。
・マリオット・・・リッツカールトン、シェラトン、ウェスティン、セントレジス他
・ヒルトン・・・コンラッド、ウォルドーフ・アストリア、LXR、キャノピー他
これらのカードはアメックスとホテルとの提携カードですが、プロパー・アメックス(アメックス本体が発行するカード)に分類されます。
カードのスペックは基本アメックスであり、そこにホテル特典が多数付け加わっている位置づけです。ただし、ポイントプログラムは通常のアメックスと異なり、ホテルのものです。
海外をはじめ旅行によく行き、よく飛行機にも乗る人のためのカードです。
これらのカードを入手するにあたって比較検討する他のカードをプロパー・アメックスから探すとするなら、次のものが該当するでしょう。
- アメリカン・エキスプレス®・カード(アメックス・グリーン)
- アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード(アメックス・ゴールド)
- ANAアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
- デルタ スカイマイル・アメリカン・エキスプレス®・カード
- デルタ スカイマイル・アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
ホテルを重視するか、航空機(マイル)を重視するかは特に海外旅行においては表裏一体のものです。
還元率に関していうと、単純比較はしづらいもののホテル系カードのほうが航空系より高めです。絶対的な尺度ではないものの、ひとつの参考になるでしょう。
Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・カード
マリオットアメックスは、前身の「SPGアメックス」がリニューアルし、2022年に登場したばかりの新しいカードです。
・年会費・・・23,100円
・家族カード・・・1枚無料/2枚目以降11,550円
「カード申込前にMarriott Bonvoy会員番号が必要」という要件がありますが、マリオット公式サイトで申し込んですぐ会員になれます。特段手間が掛かるわけではありません。
ポイント還元率は2.0%と高めです。
ポイントプログラムはMarriott Bonvoyポイントで、宿泊その他に利用できます。
足りないポイントを購入する仕組みもあります。
マイル獲得カードとしても使える
SPGアメックス時代からこのカードはマイル還元率が高く、マイル獲得系カードとしても知られていました。
現在のマリオットアメックスもマイル還元率1.25%(60,000ポイントごとにマイル交換した場合のボーナスを含めた数字)と、高くなっています。
ポイントが失効しづらく、移行上限もないので、マリオットアメックスをマイル獲得カードとして使うのもおすすめです。
ポイントをマイルに替える際、航空会社も多数から選べます。
ユナイテッド航空のマイルが特にお勧めで、マイル還元率が1.35%に上がります。
マリオットアメックスのホテル特典
マリオットアメックスのホテル特典を確認します。
- 入会1年以内にカード150万利用で、35,000ポイントを上限とする無料宿泊特典がもらえる
- ためたポイントと合わせれば、50,000円相当を上限として利用可
- Marriott Bonvoyエリート会員の算定において、毎年5泊分の宿泊実績プレゼント
- リッツカールトン、セントレジスに2連泊以上の場合、「100米ドルのプロパティクレジット」が付いてくる(Web予約等で)
それから、このカードに入会するだけでMarriott Bonvoyの「シルバーエリート」会員資格が得られます。
シルバーエリートの特典例です。
・レイトチェックアウト
・ホテル内利用で10%のボーナスポイント
さらに年間100万円のカード利用をすると、「ゴールドエリート」資格も手に入ります。
非常に発展性のあるカードだといえるでしょう。
Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード
次にマリオットアメックスの上級版、プレミアムです。
・年会費・・・49,500円
・家族カード・・・1枚無料/2枚目以降24,750円
※ カード申込前にMarriott Bonvoy会員番号が必要
ポイント還元率は3.0%と高い数字です。マリオットアメックスの一般カードより1.0%上がります。
年会費はアメックスゴールド等と比べても高めですが、家族カード1枚無料ですし、それに特典豊富です。
もちろん、スタンダードのマリオットアメックスと同様、マイル獲得にも向いています。
マリオットアメックスプレミアムのホテル特典
マリオットアメックスプレミアムのホテル特典です。
- 入会1年以内にカード150万利用で、50,000円相当を上限とする無料宿泊特典がもらえる
- ためたポイントと合わせれば、65,000円相当を上限として利用可
- Marriott Bonvoyエリート会員の算定において、毎年15泊分の宿泊実績プレゼント
- リッツ・カールトン、セントレジス2連泊以上の場合、「100米ドルのプロパティクレジット」が付いてくる(Web予約等で)
マリオットアメックスプレミアムの場合、入会するだけでMarriott Bonvoyの「ゴールドエリート」会員資格が得られます。
この得点に関しては、上級カードのプレミアムと同一です。
ゴールドエリートの特典例です。
- ゴールドウェルカムギフトポイント(250または500ポイント)
- 無料アップグレード
- 午後2時までのレイトチェックアウト
- ホテル内利用で25%のボーナスポイント
さらに年間400万円のカード利用があると、ゴールドエリートの上、「プラチナエリート」資格も手に入ります。
ヒルトン・オナーズアメリカン・エキスプレス®・カード
マリオットと並ぶメガホテルチェーン、ヒルトンの提携カードがこれ、ヒルトンアメックスです。
・年会費・・・16,500円
・家族カード・・・1枚目無料/2枚目以降6,600円
マリオットアメックスと同様、一般とプレミアムとがあります。
この2枚の年会費の差が、マリオットアメックスより大きいのが特徴です。ただし、特典まで考慮したとき、グレードによる差は著しく大きいというわけではありません。特典の使い道をよく考えて、取り返せるレベルのカードを選ぶといいでしょう。
マリオットアメックスとは異なり、マイル獲得カードとしてはほぼ役に立ちません。マイル還元率が0.2%~0.3%程度なので、ためたポイントはホテルで使いましょう。
ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント
ヒルトンアメックスのポイントプログラムは「ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント」です。
宿泊に利用するのが価値の高い方法です。クレジットカード払いとの組み合わせによる支払いも可能です。
ポイント還元率は、次の通りです。ヒルトンアメックスプレミアムの還元率も併せてご紹介します(カッコ内が一般のヒルトンアメックス)。
・一般加盟店でのカード利用・・・3.0%(2.0%)
・ヒルトンでの利用・・・7.0%(3.0%)
非常に高い数字です。
ただ、常に1ポイントが1円相当で利用できるのなら還元率通りですが、もっぱらホテル宿泊で利用するヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントの場合、利用時のレートはもう少し下がるのが普通です。
ハイシーズンの利用のほうが、1ポイントの価値が高くなるといえます。
通常の実還元率は、上記の数字の半分程度と考えておきましょう。それでも決して悪い還元率ではありません。
2年目年会費は実質ゼロに近い
ヒルトンアメックス入会1年以内に150万円カード利用し、継続すると「ウィークエンド無料宿泊特典1泊分」のプレゼントがあります。
毎年これがもらえます。
旅行好きの人にとっては、年会費負担は感じないでしょう。
ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス
高級ホテルにはステータス会員のプログラムがあります。
ヒルトン・オナーズの場合、「ゴールドステータス」という「1年間に40泊」で得られる階層があり、ヒルトンアメックス会員はこちらのサービスが受けられます。
特典の例です。
- エリートステータス・ボーナス(80%)
- アップグレード
- 朝食無料サービス
- マイルストーンボーナス
ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパンに年会費1万円で加入できる
日本と韓国の対象ホテルが安くなるヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパンは通常年会費25,000円です。
こちらの会員に、年10,000円で加入できます。
特典は次の通りで、宿泊頻度の高い人は入ったほうが得になるでしょう。
・宿泊・・・25%オフ
・レストラン・・・最大20%オフ
家族カード会員も加入できます。
ちなみに年10,000円支払う代わりに毎年、割引券2枚、合計10,000円分がプレゼントされます。つまり年会費実質無料です。
ヒルトン・オナーズアメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード
最後に、大きく年会費の高くなる、ヒルトンアメックスプレミアムを見てみます。
・年会費・・・66,000円
・家族カード・・・3枚無料/4枚目以降13,200円
年会費は高いですが、家族カードが3枚無料です。
ご家族が多い場合はメリットが大きくなります。
ヒルトン・オナーズ・ダイヤモンドステータスまで狙える
ヒルトンアメックスプレミアムで加入できるヒルトン・オナーズのランクは、一般カードと同じ「ゴールドステータス」です。
ただしプレミアムの場合、さらにダイヤモンドステータスが狙えます。
1年間(1月から12月)間に200万円カード利用をすると、ダイヤモンドステータスとなります。
ダイヤモンドステータスの特典例です。
- エリートステータス・ボーナス(100%)
- エグゼクティブラウンジご利用可
- プレミアムWi-Fi無料
- エリート会員資格の贈呈
- 48時間客室保証
2年目以降の年会費を実質無償にできる
毎年のカード継続時には、「ウィークエンド無料宿泊特典1泊」のプレゼントがあります。
ヒルトンアメックスの一般カードでは、「年間150万円以上」の利用条件があるものです。
プレミアムの場合、さらに入会1年以内に300万円カード利用し、継続するともう1泊プレゼントがあります。
毎年もらえます。
年間300万円利用を無理せず達成できる人については、一般カードよりもプレミアムがおすすめです。
ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパンに初年度無料で加入できる
日本と韓国の対象ホテルが安くなるヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパンに、ヒルトンアメックスの一般カードの場合、年10,000円で加入できます。
ヒルトンアメックスプレミアムの場合、本カード会員だけでなく家族カード会員も、初年度無料で加入できます。
2年目以降は年10,000円です。宿泊券2枚がもらえることまで、一般カードと同一です。
ホテル系アメックスで一段上のホテルステイを味わおう
ホテル系アメックス4種類について解説しました。
年1回海外旅行と国内旅行をする程度の人であっても、十分に役立ちます。
今までより一段上のホテルステイを楽しんでください。
ノルマではないですが、それぞれのカードには年間に利用すべき金額があります。利用額を無理せず達成できることまで考慮して、カードを選びましょう。