年会費無料のカードに飽き足らず、社会的な評価の高いカードを持ちたい人も多いでしょう。
世間の評価の高いカードブランドといえば、アメックス(アメリカン・エキスプレス)です。
アメックスの代表的な3種類のグレードについて解説します。
アメックスの基礎知識
「アメックス」と一口にいいますが、プロパー・アメックスと提携カードがあるのできちんと区別しておきたいものです。
国際ブランドとしてのアメックスを、他のカード会社に開放しているのが提携カードです。
いっぽうで、アメックス本体が発行しているのがプロパーカードです。
提携カードにもセゾン・プラチナ・アメックスなど高グレードの人気カードがあるものの、一般的にはプロパー・アメックスだけがアメックスと呼べる存在です。
アメックスのメリット
プロパー・アメックスのメリットです。
- 一律のカード限度額がない
- 海外ホテルで信用が高い
- 海外でも、日本語で24時間サポートが受けられる
- カード紛失時の対応が迅速
- 基本のグリーンから、海外ラウンジ利用券「プライオリティ・パス」に無料で加入できる
- 空港サービス豊富(宅配、一時預かり等)
アメックスのカードが一般的なクレジットカードと異なる最大の特徴が「一律のカード限度額がない」ことです。
誤解して、「どんな高額の買い物でもできる」と思う人もいますが、そうではありません。
高額の買い物も相談によって購入できるのがメリットなのです。
場合によっては決済前の入金を求められることもあります。
この点、むしろデメリットに感じる人もいるでしょうが、アメックスは、カードを利用の文化もちょっと異なるのです。相談を苦にしない人にはとても快適なカードです。
それからアメックスブランドとしてのメリットです。
・日本ではJCBと提携しているので、決済できないことは非常に少ない
まれに古いECサイトで、他のカードと会員番号の桁数が違うために決済不可のことがありますが、その程度です。
アメックスの欠点も知っておこう
アメックスにも、以下の通り実用的な観点から不満を覚えることがあるでしょう。
- ポイント還元率が高くない
- ポイントプログラムが複雑で管理が面倒
- 公共料金の引落しはさらに還元率が低い
- 突然カードが利用停止になることがある
- キャッシング枠がない
- 海外でむしろ利用できないお店が多い
アメックスの還元率は0.5%程度で物足りないかもしれません。
ただし、一気に価値を上げる方法があります。たまったポイントをANAマイルに交換することです。
マイル還元率1.0%となるので、これは決して悪い数字ではありません。
公共料金については、他のカードで支払いましょう。
カードが利用停止になる主なケースは、高額の買い物を事前の相談なくしたときです。引落し(あるいは随時入金)が終わるまで、利用を止められることがあります。
それから加盟店は、日本のほうが多いです。海外では、高額の手数料を嫌ったアメックスの非加盟店がよくあるので気を付けましょう。
アメリカン・エキスプレス®・カード
プロパー・アメックスの3券種を見ていきます。まずは基本の1枚から。
緑色の券面をしているので通称アメックスグリーンの、「アメリカン・エキスプレス・カード」です。
・月会費・・・1,100円
・家族カード月会費・・・550円
アメリカン・エキスプレス®・カードのメリット
一般カードのアメックスグリーンは世間ではゴールドカード扱いされています。
実際に、国内空港ラウンジの利用も可能ですし、海外旅行では頼りになる1枚です。
金色をしたゴールドより気負いがないぶん、こちらのカードが好きな人も多くいます。
アメリカン・エキスプレス®・カードのデメリット
アメックスグリーンでも「プライオリティ・パス」が無料で持てますが、パスのグレードが若干下がり、ラウンジ利用の際に料金が1回32米ドル掛かります。
同伴者も同額です。
ただ飲食無料のラウンジなら十分に利用料を支払う価値があるので、デメリットとも言い切れません。
ゴールド扱いのカードとしてはやや物足りないのが、海外旅行傷害保険です。
現地での治療費が、本会員、家族会員、家族特約揃って100万円しかありません。保険は別途入ったほうが無難です。
アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
アメックスグリーンがゴールドカード扱いである以上、ひとつ上のランクのアメックスゴールドがどういう扱いになるかというと、「ゴールドとプラチナの中間」といったところです。
ステータスだけでなく、実益も大きな1枚です。
・年会費31,900円
・家族カード1枚目年会費無料、2枚目以降13,200円
たとえば夫婦で持ちたい場合、アメックスゴールドは家族カード1枚無料のため、グリーンとの実質年会費差額が大きく詰まります。
それ以外にも実益が大きいので、見ていきましょう。
アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カードのメリット
グリーンとの差は、次の部分です。
グリーンかゴールドか迷っている方は、以下の特典について、金銭的価値を見積もってみるといいでしょう。
- ゴールド・ダイニングby招待日和(2名以上の利用でレストラン1名無料)
- カード継続特典として国内ホテル15,000円分のクーポン
- スマートフォン・プロテクション(スマホの補償)
- プライオリティ・パスでラウンジ利用時年2回まで無料
- プライオリティ・パスは家族カード会員にも発行される
- 海外旅行傷害保険の現地治療費が300万円(家族特約200万円)
アメックスゴールドの特典は、世間ではプラチナカードに付いているものが多いです。
それらと比べたとき、年会費も決して高すぎるということはありません。
非常にバランスの取れた、デメリットの少ない1枚です。
レストランと旅行の好きな方にはメリット大です。
プラチナ・カード®
通称アメックスプラチナのこのカード、正式名称は「プラチナ・カード」です。
プラチナカードとはアメックスの登録商標だからです。
・年会費143,000円
・家族カード4枚まで年会費無料
アメックスゴールドよりも圧倒的に高い年会費ですが、家族カードが無料で持てるため、家族が多い場合の負担は大きく和らぎます。
アメックスプラチナの位置付けは、世間に存在する「ブラックカード」より上と言っていいでしょう。
プラチナ・カード®のメリット
- 基本カード会員には金属カード発行
- カード継続特典としてホテルペア無料券
- グローバル・ラウンジ・コレクション(プライオリティ・パスに加え多くのラウンジ利用)
- ホテル上級メンバーシップに無条件登録
- プラチナ・コンシェルジュ・デスク(秘書のようになんでも相談できる)
- 海外旅行傷害保険の現地治療費が1,000万円(家族特約同額)
カード特典は数えきれないほどあり、ゴールドにないもののうちほんの一部を挙げてみました。
世界で最上級のサービスが受けられるこのカード、高い年会費を活かすのは、ユーザーのあなた次第です。
使いこなせないと、年会費がデメリットとなるでしょう。
アメックスで快適なサービスを受けよう
アメックスの3種類のカードを見てきました。
名前の指し示すグレードより、実質的に一段格が上の存在です。
アメックスの価値は、使い方次第でいくらでも高くなるので、ぜひ使いこなしましょう。